つづく日々(人を思い出す)

含蓄もなく、滋味もなく、大きな事件も起こらない、自分のあやふやな記憶の中の日々と人々とを散漫に思い出して書きます。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

旅することと未来の遺品整理のこと

つらいことなんて自分だけにある話じゃないし、外を歩けばそういう人にはたくさん出会えるだろう。ありふれたことだし、もっとひどい人はたくさんいる……ということを考える つらいことがあったせいで「旅にでたい」と感情的に考える、そういうときはまだいい…

ベルーガのこと

水族館に行った。僕はベルーガの水槽が気に入った。 広く暗い部屋があって、そこはベルーガの水槽のためだけの部屋になっていた。大きな水槽は天窓からの光を受けて発光していて、照明の落とされた暗い空間の中にぽっかりと浮かんでいる。水の中では、2匹の…

体のミサイルと子供の無邪気さのこと

子供は天性の詩人である、という言葉がある。まったくその通りで、あの小き者と一緒にいると、思いもかけない発想に驚くものだ。 保育園でボランティアをした時なんかは全く面白かった。ただ話しているだけで、あの小さな口から、楽しい言葉遊びがぽろぽろと…

冬に生まれたこと

「確かに、冬っぽいと思ってたよ」と、僕の誕生日を聞いた友人が言ってくれた。僕は冬が好きだし、冬に生まれたことを気に入っていたから、これはうれしかった。 その人が生まれた季節が、その人の性格にほんの少し影響を与えるのではないか、と思う。いつも…

小学校の帰り道のこと

転校先の小学校で、いつしか一緒に帰る友達ができていた。男女6人のグループ。ハツミくんという子がリーダーだった。 僕たちは学校が終わると、誰ともなしに集まり、一緒に下校した。そして、必ず途中で公園に立ち寄った。その公園は高台の上にあるので、長…

昼間の星のこと

昼間の星を見てみたい。 強すぎる太陽の光でかき消されて見えないだけで、昼の間にも星は出ているはずだ。 月は日中でもうっすら見える。水色の空に、チョークで丁寧に描かれたような白い月が。 もし昼間の星が見えるとしたら、やはり昼間の月と同じように、…

あの頃は、

くるったようにレーズンヨーグルトチョコを食べ、グミを食べてた。

花火大会のこと

花火大会が苦手だ。外は暑いし、人ごみはつらいし、アパートのベランダから小さい花火を見る方が性に合っている気がする。 そんな僕もこの前、友人に引きずられるように花火大会にでかけた。恐らく、生きているのかどうか分からないような顔を毎日していた僕…

地下鉄とテレポートのこと

「一駅くらい歩いたらいいじゃないかっていうの、あんまり得意じゃないですね」と、後輩のヨーコさんは言った。大学2年のころ、僕はちょっとした課外活動を行う授業を履修していて、彼女とはグループを組むことになって知り合ったのだった。その日はミーティ…