つづく日々(人を思い出す)

含蓄もなく、滋味もなく、大きな事件も起こらない、自分のあやふやな記憶の中の日々と人々とを散漫に思い出して書きます。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

いろいろなにおいのこと

忘れがたいこと。 ・子どものとき、母親のゆったりしたワンピースの中にもぐったときのにおい ・瓦礫撤去のボランティアで行った被災地のにおい ・おじいちゃんのワイシャツにしみ込んだタバコのにおい ・小学校でマラソンをしたときの脇腹の痛みと口の中の…

マツモトくんのこととお見舞いのこと

大学の友人たちは、ずっと付き合っていたいと思う人ばかり。マツモトくんもそのひとりだ。 大学1年生のとき、共通の友人であるMに連れられ、彼の家を訪れたのが最初の出会いだ。マツモトくんの根城は木造2階建てのボロアパート。部屋にはどこから引っ張って…

7月の本のこと、持つこと

日付が変わった。 悲しみは海ではないからすっかり飲み干せる Горе не море, выпьешь до дна. こういうことわざがロシアにあるらしい。たわむれにロシアのことわざを調べていて、偶然に知った。彼らはヴォトカを何杯も飲んでいるから、飲み干すということに…

休日のアイロンのこと

休日、ワイシャツにまとめてアイロンをかける。畳んでいたアイロン台を立て、ワイシャツを乗せる。歌詞のないインストルメンタルを流す。アイロンが温まるのを待つ。 まず安いワイシャツからアイロンがけを始め、高いシャツは後回しにする。高いシャツはちゃ…

なんだかいい服のこと

平日昼間、人の少ない小さな駅。一組の親子が電車を待っていた。 父親と母親に挟まれて立っている男の子は、小学校1年生くらいだろうか。 男の子の服装は次のようなものだ。ちいさな黒のサイドゴアブーツ。糊のきいた真っ白な半袖シャツ。鮮やかなキャメルの…

続・冷めたごはんのこと

冷めたごはんはすきですか?僕にとって忘れられない冷めたごはんの1つは、2011年3月の白身魚のフライだ。 電気・ガス・水道が止まったあの日に、僕はコンビニで、ミネラルウォーターと電池と白身魚のフライを買った。地震が来た時に、しっかりと浴槽に水をた…