つづく日々(人を思い出す)

含蓄もなく、滋味もなく、大きな事件も起こらない、自分のあやふやな記憶の中の日々と人々とを散漫に思い出して書きます。

身支度のこと

年末年始の休日、冬の朝は、他の季節よりも少しゆっくり身支度をしてみる。

 
昨夜の作り置きをあたため、白米と目玉焼き、佃煮とお味噌汁で食べる。ざっと洗い物をやっつける。
 
お風呂に入る。設定温度は40度だけどそれより熱く感じる。
 
髭を剃る。ドライヤーで頭を乾かす。櫛を入れる。顔に化粧水とクリームを塗る。
 
くちびるにリップクリームを塗る。昨日、かみすぎて少しかさかさになった鼻頭にもつけてやる。
 
お直しを頼もうと思ってそのままになっているシャツを着る。友達にもらったセーターを着込む。カーテンを開けベッドに陽を当てる。やたら天気のいい日である。
 
「身だしなみは自分の気分を引き締めるためにやるもの」といったことを池波正太郎が得意げに書いていたけれど、そうだろうなと思う。
 
昨日着ていたアラン編みのセーターが椅子にかかってる。気まぐれからそいつを膝に乗せ、糸切りばさみで毛玉をしゃきしゃきと切ってやる。でかけないといけないのに、なんとなく気が進まないときは、今しなくてもいいことを、ついついやってしまう。洗面台の掃除とかね。
 
マフラーを巻く。コートを羽織る。ポケットに鍵と休日用の腕時計を突っ込む。
 
台所で炭酸水をがぶりと飲み干し、外に出る。日陰は寒く、日向はあたたかい。腕時計は歩きながらつけた。今年の初詣は根津神社になった。